概要
|
|
EDA(Electronic Design Automation)業界の現状 |
・ SOC(System On Chip)などの製品仕様作成から最終的にSOCチップ製品を生産するまでをサポートするEDAツールマーケットにおいての動向は、大きく分けて3つに分かれてきている。
・ 製品仕様からRTL(Register Transfer Level)を生成する分野、いわゆるESL(Electronic System Level)、2番目が、RTLからGDSIIを生成する分野、最後にGDSIIからチップを製造する分野。
・ ESL分野は10年以上前からその必要性を叫ばれてきたが、実用レベルでのツールを提供するベンダーは現れていない。また多くの新興ベンダーが乱立し、マーケットの主導権をとれるベンダーの出現には至っていないのが現状である。
・ RTL-GDSIIの分野、及びGDSII以降の分野は、ほぼEDA3強(Synopsys, Cadence, Mentor)によって独占されている状況であり、今後もこの状況が続くものと予想される。
・ 今年(2009年)7月のDAC(Design Automation Conference)で、ESLが最も話題になった。EDA業界の著名コンサルタントGary Smith氏のホームページにその詳しい報告が掲載されている。
・ その中の主要メッセージとしては、乱立の新興ベンダーの中からかなり有望なベンダーが出現し始めており、今年が本当の意味で実用レベルのESLが波及する年になると予想をしている。。
・ またESL分野と言っても、手法、適用分野などによって幾つかに分類され、それぞれに対して最適な技術、ソリューションを提供するようにベンダーもその位置づけを明確にし、また具体的な成功事例をもとに展開し始めてきた。。
・ もう一つの重要な動きとして、各関連技術を標準化する動きが活発化し、ベンダーも積極的に取り入れてツールを開発してきた。この背景として、以前標準化された技術は実用レベルに使いづらいという状況であったが、最近の傾向は、標準化団体に企業が積極的に参加し、実用に向けた課題を解決する動きが顕著にみられる。
・ 企業としては、SOC技術の複雑化、TTMの激化、コストの削減など、ビジネス環境の厳しさからESL導入が必須であるという考えが一般化してきた。 つまりESLは早期に製品仕様を確認し、短期にそれの実現性を確かめ、且つIP促進を図るための有効な手法ということから、ビジネス成功要因の重要な手法と位置づけ始めている。
・ 10年以上前の初期のESLでは、特に日本メーカーは積極的にその新しい技術、手法に興味を持ち、具体的に製品プロジェクトに導入試験をしてきた。 しかしまだその技術が実用レベルに達していなかったことで、一部の大手メーカーのみの事例にとどまってきた。 それはその手法導入には多額の投資と多くの人材を必要としたからである。
・ 以前の大手メーカーは、社内のEDA評価部門(通称CAD部)が、新たなEDA技術を探し、評価し、次期プロジェクトに適用する為のサポートをしてきた。しかしCAD部が縮小、廃部に追い込まれたことによって、新たなESL技術の情報が社内設計プロジェクトに適用する機会が減少してきているようである。
・ 特に今年のDACの日本からの参加者は少なく、上記のようなESLの新たな動きを的確にとらえる機会を失ったことによる影響は、日本メーカーの世界競争力にかなりの低下を引き起こすにではと危惧している。
・ 一方欧米の新興ベンダーは、以前は日本進出に対して、多額のベンチャー資金を使って日本商社と契約し展開してきたが、最近はベンチャー投資の低迷からより投資の少ない方法を模索し始めている。
・ 欧米新興EDAベンダーの日本進出を低初期コストでサポート、日本商社のEDA離れ、日本の設計者が新しいEDA技術情報の入手機会の損失、それらを結びつけた新たなビジネスの可能性を探るために、東京ナノファームが設立されました。